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病気、畸形、形成手術 - 1890年日本の場合
手に入れた古い箱には、お伽噺や昔話に登場する奇想天外な異形の人々が詰まっていました。356点の受苦の記録が残された理由を見つけるのは思いの外困難で、岡山県「中山下太田楽水軒」が撮影した事、箱書きから所有者が越智一格であった事以外は全くの謎でした。岡山市内の営業写真館と図書館を8日間訪ね歩き、諦めかけた時、埃を被った本の山から「芸備医志」という雑誌を発見しました。 開いてみると写真と同じイメージが銅版画によって掲載されており、珍しい事例や梅毒による鼻の欠損を補う造鼻手術の資料として芸備地方の患者を撮影した事が判りました。
この類い稀なイメージは、スイス、ヴィンタートゥーア美術館で展覧会が開催され、SCALO社が本にしました。
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