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ナルヤマインテリア




(写真:ジェラルド・マランガ)


私への好奇心からでしょうか、自宅にはどの様な作品を飾っているのかと口々に訊ねられた時、私の脳裡をふとかすめていったのがそのような認識でした。改めて考えてみるに、ギャラリーという公的な場を介し、これまで私が皆様に紹介を重ねてきた美術作品のすべてが私の真摯な愛情の対象でもあったことには疑いの余地もなく、その限りにおいて私は常に、ギャラリストになる以前には一介のコレクターに過ぎなかったかつての私自身について、包み隠さず披瀝してきたように思う次第です。

だとすれば、従来のギャラリー空間を私的空間として開き直って捉え直し、あたかも親しい友人達、隣人達を自宅に招き入れる様な具合に、くつろいだ展覧会を設定してみるのも悪くは無いのかもしれません、私が長らく大切にしてきた数々のコレクションを通じ、私の美意識なり性癖なりを形成する一助となった作品群を皆様と共に賞味出来る様な、刺激的な、しかし徹底的にフレンドリーな機会を設けたい。この思いが本展「ナルヤマインテリア」を企画するに至った真の切っ掛けとなりました。

むろんありきたりな内容で皆様を落胆させるつもりなど毛頭ないサ−ヴィス精神旺盛な私としましては、非力ではありますがそれなりの工夫と努力に努める次第です(嫌味にならぬ様細心の注意を払うつもりではあるものの、私は他の蒐集家の方々と同様、自分が日頃より大切にしているコレクションを時として効果的にみせびらかしたくなる様な衝動に駆られるわけです)。アンドレアス・セラーノ、ウォルフガング・ティルマンズ、鈴木理策、ハンス・ベルメール、金子 國義、赤木 仁、フランチェスコ・スキャビュロ、等の諸作品に加え、ジェラード・マランガ、ホルスト・P・ホルスト、ブラッサイが各々撮影したダリのポートレートや、森村泰昌とハーブ・リッツによる同一ポーズのマドンナほか、鈴木理策、森村泰昌、マーティン・キッペンベルガー、金子國義、山口椿が私、成山明光を捉えた作品などの珍品もご覧頂きたく存じます。

また、期間中に幾度かコレクション内容の入れ替えも予定しており、秘蔵の品々を臆面もなくさらけ出すことにもはや何のためらいも無い事を、念のため、ここにお約束したいと存じます。



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